「学力」よりも「学習力」
学校は社会の縮図と言われ、日本の教育はかつて画一的、均一的でした。社会においても、個性や多様性が積極的に求められることはなく、決められた時間内に与えられた課題をこなす力が学力であり良い人材と言われてきました。グローバル化や少子化、超高齢化社会、地球温暖化、AI(人工知能)、ICT活用、SDGs等がキーワードになって久しい現代の日本では、学力の意味も大きく変わっています。暗記の量や与えられた問題の正解に最短でたどり着く力よりも、正解のない問いにどれだけ多くの考え方を提示できるか、どんな問いを立て、どのように自分なりの答えを作り出していくのか――そんな知的社会的能力が必要とされる時代になっています。つまり「学力」よりも「学習力」です。
受けた教育は決して失われないものです。SDGsの目標の4番目に「質の高い教育をみんなに」とあります。受けた教育は虫に食われることも、盗人に盗まれることもありません。親として自分の子どもには良いものを与えたいと思うものです。お金は使えばなくなります。物は古くなれば、傷みます。しかし受けた教育は失われません。
学校では友人や先生との出会いがあり、そこで様々な経験をし、ものの考え方、人生の正しいこと、良いことを習います。そして知識を増やします。多くのことを吸収できる若い時に出来る経験は財産であり、奪われるものではありません。温かい思い出は人生を豊かにしてくれます。一生を支える人生の土台となります。親として子どもにしてあげられる最大の贈り物が教育です。