教育/初等部の学習
図工
学習の目標・特色
問1 図工科で大切にしていることはどんなことですか。(担当教員より)
わび、さび、幽玄、数寄、意気、といった日本人の心を表す言葉は世界の芸術の1つと言われますが、図工科では5感を刺激し、働かせて実際に作品を描く、工作する中で直感力、洞察能力、イメージ力、空間認識能力といった右脳分野を開発し、日本人が長い歴史を経て培ってきた美意識の育成を目指します。
算数、理科、国語といったようなどこかに「決まった答えのある」教科と比べると、図工科・芸術系の授業は「決まった答えのない」創造力と批判的思考力を大切にした授業を行います。
そのために、以下の4項目を大切にします。
- 永遠の命の神秘を感じ、命の尊さを思い、命に感謝し、その命をともにいかす喜びを知る。
- 本物の自然にふれることにより、人間が中心であるという考え方を捨て、自らが大自然の1部分であることに気づき、深く自然とかかわる。
- 原初的な5つの要素(「火」・「水」・「木」・「金」・「土」)という素材に出会うことで、直感力、判断力、意志力、行動力を養う。
- 段階的でなく螺旋的な成長の中で、3つの直接体験を大切にする。
「ふれる」五感を通して共生、回帰、出会い、温もり、痛みの不思議さを知る。
「しみる」表現を通しての試行錯誤の中で、失敗をおそれない心、投げ出さない心、見捨てない心、優しい心を培う。
「わびる」達成感、満足感と同時に、上手く行かなかった時には作品や自分に心から悪かったと許しをこい、前向きな生き方を育む。
1~4までの4項目は、本学のキリスト教の教育方針にも通じる物です。
問2 図工科ではどのような考えを軸に授業を行なっていますか。(担当教員より)
鑑賞授業
- 芸術作品の鑑賞を通して、こころで感じ、対話する鑑賞力を磨く。
- 作者の気持ちになって感じ、考える力を養い、国や言葉の違いを越えて、それぞれの国や個人の文化に気づき、共感できる美意識を育成する。
毎年、国立及び私立美術館に1年生~6年生児童が訪れ、卒業の時までに6回美術鑑賞を体験します。
2008年に訪れた美術館は以下の通りです。
1年生「素朴美の系譜」(松濤美術館)、「掛井五郎の彫刻」(TOM美術館)、「吉祥文様」(戸栗美術館)
2年生「モーリス・ド・ヴラマンク展」(損保ジャパン東郷青児美術館)
3年生「国貞・国芳・広重とその時代」(浮世絵太田記念美術館)
4年生「ジョットとその遺産展」(損保ジャパン東郷青児美術館)
5年生「モディリアーニ展」(東京国立新美術館)、6年生「国宝・薬師寺展」(東京国立博物館)
初等部校内では、年間を通じて児童の作品展示を行います。
玄関ロビー、低学年、中学年、高学年棟、食堂、廊下、オープンスペース、階段などの場所に1学年128人全児童作品を展示することができるよう工夫されています。
また、ロビーに芸術家の作品を季節ごとに展示します。
表現授業
教師、生徒、保護者の三者が以下のような考えをもって自己点検を繰り返し授業を進めます。
- 道具などを扱う技能の習得を通して技術的・技能的進歩になったか。
- ものを創ったり、描いたりする過程の中で表現する楽しみを感じ、造形への関心を高められたか。
- 観察力を養い、具現化する能力を体得できたか。
- 創造性・独創性を養うことができたか。
- イメージ力、空間認識能力を拡張することができたか。
(芸術的知能が、さまざまな知能に関係するという考えを重視)
ポートフォリオによる評価
図工科では以上のような学習の過程に焦点がおかれた評価を重視し、ポートフォリオ方式を取り入れています。
図工室準備室には児童一人一人の作品ファイルが収納され、いつでも児童、保護者、教師はそれを取り出して見ることが出来ます。
完成作品の他に進行中の作品、オリジナルスケッチ、下絵から制作の進歩を見ることを主たる目標としています。
児童は時には教師からポートフォリオの中身を見せるように言われたり、場合によっては自分の成長の過程を振り返って重要だと思われる作品を選び出すように促されたりします。
また、単元修了時、学期ごとに「自分を見つめよう」の自己評価を実施し、その自己評価も作品ファイルに入っているのでポートフォリオの効果を高めることに役立っています。






