知的社会的能力の必要性
何を「学力」とするかは、これからも社会の変化と共に変わっていくことでしょう。しかし、初等部の教育は変わることはありません。初等部が開校当初より大事にしている価値観は、どんな時代、社会にあっても決して揺らぐことがなく、必要とされる教育であるという自信と確信がわたし達にはあるからです。
2020年5月、まさに国難とも言える新型コロナウイルス感染拡大の中、3月より続いている休校要請を受けて3ヶ月。まだ入学式も始業式もできていません。子ども達の声や姿のない静かな校舎の中で、改めて「学校とは何か」「初等部とは何か」を考えています。
4月2週目から始めた初等部独自のインターネットによる「ネット学習」。毎朝、宗教主任による「礼拝」も配信していますが、その冒頭、「あなたがた一人ひとりが青山学院初等部です」というメッセージを流しています。そうです、いつでもどこにいても、学校にいても家庭にいても、大切な初等部の子ども達なのです。一人ひとりの子ども達が、初等部の主役なのです。わたし達は登校の再開を願いつつ、これからも子ども達一人ひとりと繋がり、「かけがえのないひとり」を大切に考えていきます。
新型コロナウイルス感染拡大の中にあっても、青山学院の建学の精神であるキリスト教信仰と教育方針に堅く立ち、一方で、新しい時代に生きる子ども達を見据え、可能な限り社会と時代の要請に応えるために、80余年の歴史を大切にしながらも柔軟に、初等部ならではの質の高い教育を創造していきます。